チェルノブイリの鳥は低レベル放射線に適応している
どーも。山岸です。
動物の適応力恐るべし!というお話です。
ウクライナのチェルノブイリは、28年前の原子力発電所事故によって人がほとんど住まない土地となってしまいました。
放射性物質が消えるまでは死の土地になると誰もが予測しました。
でも実際には自然の楽園として多くの動植物がそのまま生息しています。
そのため科学者にとっては、低レベル放射線の動物への影響を研究するための大きな実験場となっているのだとか。
パリ第11大学の国際研究チームが、チェルノブイリに生息する鳥類16種152羽を調べました。
放射線を浴びた細胞は、活性酸素にも見られる反応性の高いフリーラジカル(自由電子)を生成し、遺伝子などを傷つけ、やがて死に至ります。
生物がこういう環境で生き残るには、抗酸化物質を多く生成しフリーラジカルを中和する必要があるわけですが、
上記の鳥類16種152羽のうち、14種がより多くの抗酸化物質を体内に保持していることがわかったとのこと。
これは 野生動物が慢性的な放射線被曝に適応していることを示す初めての例となりました。
16種のうち適応できていなかったのはシジュウカラとツバメの2種。
これらの種は、羽にピンクの色素であるフェオメラニンを多く生成しているのですが、
フェオメラニンの生成には大量の抗酸化物質が必要であるため、フリーラジカルに対抗するための抗酸化物質を作る余裕がないのではないかと考えられています。
ScienceShotより
